季節と共に装いを変える「衣替え」は、四季のある日本に古くからある文化です。
制服のある学校では決まって衣替えをすることもあり、ほとんど誰もが経験したことのある行事です。とはいえ、歴史的背景や意味の由来までは知らない方も多いのではないでしょうか?
実は衣替えは長い歴史を持っており、始まりは平安時代の宮中行事にまで遡ります。衣替えの由来を知ることは、日本古来の文化を知ることでもあるのです。
また「なぜ手間のかかる衣替えを行う必要があるのだろう?」という実利的な疑問の答えも、この歴史を紐解くことで見えてくるでしょう。
そこで本記事では、衣替えの意味や歴史的な由来から、現代で衣替えする意味、衣替えが必要な衣類の種類まで詳しい情報を解説します。
奥深い日本の文化「衣替え」の意味・歴史的な由来と移り変わり
まず、衣替えにはどういった意味や由来、歴史的な背景があるのか見ていきます。
現代において「衣替え」という言葉の意味は、大きく2つ。
- (季節に応じて)着る衣服を改めること
- 飾り付けを変えたり、商売を替えること
この2つの中でもとりわけ一般的なのが、「衣類の衣替え」です。
ここからは、この言葉の由来を探ってみましょう。
日本の衣替え文化は「平安時代の宮中行事」から始まった
衣替えの由来は諸説ありますが、かつての中国に存在した「4月1日・10月1日(旧暦)に夏装束と冬装束を着替える」という習慣が、およそ平安時代に日本へ伝来したとする説が一般的です。これが、日本における衣替え文化の始まりでした。
宮中行事として定着した当初、衣替えは「更衣(こうい)」という名称で呼ばれます。
しかし「更衣」は天皇の着替えを行う女官の職名としても使われており、混同を避けるために「衣更え(衣替え)」に改められました。
時期は中国に倣って旧暦4月1日・10月1日の年2回で、宮中でしか行われない貴族社会の習慣で、特に季節に応じた着物があったわけではなく、主に下着などを調整する行事だったとされています。
衣替えが庶民へと浸透し始めた江戸時代
江戸時代になる頃には着物の種類が充実してきたこともあって、衣替えはより一般的なものへ変化していきます。
この頃、江戸幕府は旧暦5月5日・9月9日を加えた「年4回」衣替えを行い、季節の衣を着て出仕(しゅっし=勤務すること)を制度化。この制度が徐々に一般庶民の間に広がり、大衆的な習慣として根付いていったと考えられています。
この江戸幕府による衣替え制度は、時期だけでなく着る衣の種類も細かく定められていました。
例えば武家の制服は、季節によって次のように決まっていたとされています。
- 4月1日~5月4日:袷(あわせ=裏地の付いた着物)
- 5月5日~8月末日:帷子(かたびら=裏地のない単衣)
- 9月1日~9月8日:袷
- 9月9日~翌年3月末日:綿入れ(布の間に綿を入れた着物)
※全て日付は旧暦
季節ごとの着物を持っていない人が多かったため、この時代の一般的な衣替えとは「同じ着物を仕立て直して手入れすること」でした。仕立て直すとは、一度着物をほどいて季節に合わせて仕様を変えること(綿の出し入れ等)で、手入れとは主に生地が傷まないための虫干しです。
このように、江戸時代の衣替えは今よりずっと手間がかかっていました。
しかし多くの着物を持てないこの時代、定期的に着物の手入れをする衣替えの習慣は、同じものを何年も着続けるために重要な役割を果たしていたことでしょう。
明治時代以降に洋服が普及し現代のスタイルへ
明治時代になると、日本人の服装が和装から洋服へと入れ替わっていきます。それに伴い、衣替えの文化も変化していきました。
大きな転機は明治5年、明治政府による和装礼服の廃止です。政府は役人や軍人、警察官の制服として洋装の着用を義務付けました。さらに翌年明治6年には太陽暦(いわゆる新暦)が採用され、現代と同じ暦が使い始められるように。
それを機に、年2回(新暦6月1日~9月末日が夏服、新暦10月1日~5月末日が冬服)の衣替え時期が新たに定められました。
これが一般社会に浸透していき、官公庁や企業、学校でも同様の時期に衣替えを行うようになったのです。学校・官公庁ではこの文化が色濃く残っており、現在でもこの日を目安に衣替えが行われています。
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今でも衣替えする意味はある?現代人が衣替えをする3つの意味
歴史的な由来や意味を見てきたところで、次に現代で衣替えをする意味を考えてみましょう。
最近の衣類は体温調整よりもファッションとしての意味合いが大きくなったほか、シーズンをまたいで着れる機能的な衣類も登場し、衣替えをする必要性は少なくなっていることは確かです。
しかし現代でも、衣替えをする意味は大いにあります。ここからは、現代人が衣替えをする3つの意味を見ていきましょう。
収納スペースをスッキリ保つ
クローゼットや収納ケースの中は、いつの間にか増えていくもの。気が付いたら収納スペースには入りきらないほど服が増えていた・・という経験もあるのではないでしょうか。服があふれるとクローゼットの使い勝手が悪くなったり、居住スペースまで散らかってしまうこともありますよね?
衣替えは服を入れ替えるだけではなく、定期的に手持ちの衣類をチェックし、着ないもの・くたびれたものを処分して衣類を整理する絶好の機会です。
定期メンテナンスで衣類が長持ちさせる
また、江戸時代の衣替えと同じように、衣類についた汚れを定期的に綺麗にし、メンテナンスを行う機会としての意味もあります。
1回でも着た衣類には、繊維の奥に汚れが溜まっているもの。衣類についた汚れは長期間放っておくと落ちにくくなる上、素材の劣化や黄ばみ・虫食いなどの原因になってしまうもの。
そのため、そのシーズンに着た衣類を保管する前には、クリーニングやシミ抜きによって徹底的に汚れを落すことが重要なのです。
衣替えの際に定期的なお手入れを行うことで、大切な衣類をより長く使えるようになるでしょう。
子供の学びをはぐくむ「行事育」として
衣替えは、気温や季節に合わせて服を選ぶという季節感や、使った衣服をしっかりお手入れしてしまうことを通じて「モノを大切に使う意識」をお子さんに学んでもらう、という意味も大きいです。
また、自然の少ない街中でも四季の巡りを感じてもらい、古くから受け継がれてきた日本の文化に触れてもらうための機会としても使えます。
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衣替えは全衣類に必要?お手入れに重要な意味がある「高級ブランド」
このように現代でも、衣替えをする実用的な意味は残っています。とはいえ、衣替えの際に全ての衣類を整理・メンテナンスしなければならないわけではありません。ここでは、あえて衣替えが必要な衣類の種類について見ていきましょう。
最近の傾向として、衣類の価格は「二極化」しています。これは、ファストファッションと呼ばれる「とにかく手頃で品質のいい衣類」と、ラグジュアリーブランドと呼ばれる「覚悟して買う最高級の衣類」の両極端の人気が高いため。
この2種類の衣類の中で、衣替え時にメンテナンスする意味が大きいのはラグジュアリーブランドです。
ファストファッションは気軽に購入できるうえ耐久性があるものも多く、特別なメンテナンスをしなくても長く着られるのが特徴。また非常に低価格なため、極端な話「ワンシーズンだけ着てリユースショップに出す」ような使い捨て感覚で使ってもそこまで不経済ではありません。
そのため、衣替え時のメンテナンスをそこまで気にする必要がないのです。
一方でラグジュアリーブランドは、衣替え時のメンテナンスが極めて大切です。
こういった高級衣類に使われる素材はカシミヤや高級ウール、レーヨンといったとりわけ繊細な素材。そのため定期的にお手入れしなければ、すぐに劣化し着れなくなってしまいます。
しかし丁寧にメンテナンスして大切に使えば、一般的な衣類に比べて驚くほど長持ちするのも高級ブランドならでは。
そう頻繁には購入できないラグジュアリーブランド品は、長く使えるほど経済的です。衣替え時には信頼できるクリーニング店に依頼し、丁寧なお手入れを通じて素材の劣化を防ぎましょう。
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